SOL.NET TOP > SOL INTERVIEW > NO.004 上田祐司 氏
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上田祐司氏
金銭の時代から、感情が流通する時代へ

株式会社 ガイアックス 代表執行役社長CEO 上田 祐司 氏

1974年。同志社大学経済学部卒業後、独立支援の業務に特徴がある株式会社ベンチャー・リンクでの勤務経験を経

て、1999年有限会社ガイアックスを設立。

オンラインコミュニティの企画・開発・運営を手がける。NPOと企業のマッチングを支援するサービス「ガイアリンク」を

はじめ、産学連携やインターシップ・プログラムへの参加など、CSR(企業の社会的責任)に対し積極的な取り組みを

行っている。

-

 NPOと企業をつなぐ「ガイアリンク」

- まずガイアックス様が行われている CSR 総合支援サービス「ガイアリンク」について、

- 簡単な事業説明をお願いします。

-

ガイアックスはたくさんの NPO 団体様にブログを提供しています。

ガイアリンクは、そういった NPO 団体様と企業様が、コラボレーションしながらプロジェクトを進めていけるようにマッチ

ングを支援するサービスです。企業様からは、 NPO 様を御紹介させていただくために会員制度を敷き、会員費をいた

だく形になっています。

-

- ガイアリンクを始めるきっかけは NPO 団体様から要望の声をいただいたということでしたが、

- 何故そもそも NPO 団体様からの声を聞くきっかけがあったのでしょうか?

-

当社は多くの企業にオンラインコミュニティを提供していますが、企業様だけではなく NPO 団体様にもオンラインコミュ

ニティをご活用いただければと思い、NPO 団体様には無料でオンラインコミュニティを提供してきました。

それにより、 NPO 団体様との接点をたくさん持つ事ができ、その中でガイアリンクの基になる声をいただいたんです。

-

- ガイアリンクの事業を行っていて、課題点などはありますか?

-

NPO 団体様は、より、一般企業のようにしっかりと事業を拡大させる、という点を強化させることが重要だと思います。

一方の企業側には、世の中には信頼できる良いNPO 団体様が多数いらっしゃるのに、あまり信用していないケースも

多いなと感じています。

企業が NPO 団体を取引対象として見る際に、経済性という視点からみると現時点での日本の NPO 団体様は小規模

組織が大多数で、なかなか当てはまりにくいのです。その中で企業がNPO 団体様を信用していない、頼りにしていな

いという傾向をいかに打破していくかが課題だと思っています。

このような理由から、最初のうちはどうしても二つの間に壁が出来てしまうため、まずは成果が上がるまで、会費をいた

だかずにトライアルという形で無料サービスを提供しています。

-

- 上田社長ご自身のことをお聞きしたいのですが、社会貢献に取り組む原体験等を教えてください。

-

大学では 4 年間ボランティアをしていましたし、高校でも少しずつではありますが、やっていました。

地元の教育委員会の下でするボランティアが中心でしたね。

例えば夏の子供キャンプのお手伝いをしたり、ハンディキャップを持っている子供達のための運動会のサポートをした

り。子供会のクリスマス会や、子供達を連れて海外に行った経験もあります。自分が子供だった頃、大学生のボランテ

ィアの方に面倒を見てもらった記憶からアルバイトだけではなく、別の形の事業の進め方を見たいと思いボランティア

活動を始めましたね。

一時期、飲食店で働いていたのですが、そうすると飲食店がどのように動いているかがわかるじゃないですか。

その後、ボランティア活動で 1000 人~ 2000 人規模の動員数がある市の企画を、ボランティアの実行委員としてまわ

したのですが、同じように「あ、市のイベントというものはこのように進めていくんだな」と理解しました。

夏の子供キャンプも、 40 人くらいのメンバーで 300 人~ 400 人来る子供達を出迎えるわけですが、子供達にどのよ

うに接すればよいかという表面的な部分もあれば、その為の準備とかリスクヘッジ等もあり、企画を色んな視点で進め

ていく、ということがここで経験できたと思います。

-

- 上田社長は元々ベンチャー・リンクに入社していたということでしたが、

- 何故起業しようと決意したのですか。

-

ベンチャー・リンクに入ってから起業しようと思い始めたのではなく、小さい頃から潜在的に起業することは意識してい

たのだと思います。当初、ベンチャー・リンクは独立する人しか雇わないということを掲げていたのでここに入ろうと決め

たんです。その事からもいつか起業する、ということは明らかでしたね。

そもそも何故起業しようと思っていたかというと、学生時代にアルバイト等もしていたのですが、より自分で裁量が取れ

ることをしようということで、ハンバーガーの屋台とか焼き芋屋を始めたのがキッカケです。その当時は大した金額では

なかったのですが、自分でリスクを背負ってお金を投資して、お客様に物を売って儲けるということはこの時からしてい

ました。それに自分でハンバーガーの屋台をやっているとですね、当たり前ですが、目の前でお客様がハンバーガー

を食べてくれますよね。その時に「美味しい!」と喜んでもらえると、もっと工夫して喜んでもらえるものを作ろうって色々

色々考えたり、工夫することによって、さらなる良いものを提供できればもっとお客様に喜んでもらえる。

考えるわけです。

そういうのをみていると、自分でアイディアを出して、それを自分で形にしていくのっておもしろいなと。

それで、やっぱり将来はそういう自分の創造性を発揮できる環境で働きたい。そして独立すれば間違いなくその環境に

なる。そう思った結果ベンチャー・リンクに入ったという形ですね。

-

 求められるのはビジネス的視点

- 上田社長が社会起業に対して感じていることはありますか?

-

ジャンルとしては必ず大きくなると思います。

社会問題というものは常に大きなビジネスと繋がってきますしたくさんの人が協力して解決していかなければいけない

問題だと思うので裾野も広がると思います。そういう意味では追い風にある。

その中で本当に必要かどうかは、その人のやる気よりも、利用者サイドのニーズだと思うのでそのニーズをうまくつか

んで事業を展開していくというビジネス的な視点が求められていると思います。

-

- 企業が CSR に取り組む意味とは何でしょうか。

-

そもそも企業っていうのは、社会に役立つための存在でなければならないんですよ。

社会に役立つために道具としてお金も集めるし、人も雇うし、提携先も作る。でも、そうやって色々な関係者が出てくる

と、ついそっちに目を奪われて企業としてどのように社会に役立っていくか、という本来の意味を忘れていくケースがあ

るんですよね。

そういう流れで、元々存在した CSR 要素が消えてしまっただけなのかもしれません。別に CSR というのは、社会貢献

事業というか、本業とはまた別のところで社会に対して何かしようというものでもなく、理想を言えば本業で解決するべ

きなんですね。収益が上がるからやるとかではなく、収益が上がろうが上がらまいが企業としてやろうと決めたことをや

る、そういうスタンスが本来あるべき企業の姿で、そしてこのような考え方を CSR というんだと思います。

-

 「気付かせること」がインターネットの責務

- IT企業の社長という視点から、インターネットで社会貢献する可能性について、どうお考えですか?

-

今、社会貢献といっているのはですね、そもそも社会の問題の多くは資本主義の考え方で解決されたんですよ。

例えば難病がある、その難病を治すために人が募集される、その事により専門分野に特化した人の需要が拡大し給料

が上がります。そうすると、学生達があの仕事は給料がいいぞということで、その専門分野を勉強していきます。

そして世の中で優秀な人が必要とされているところに、ドンピシャに当てはめられていく。

結果としてその問題は解決されます。このような動きによって、資本主義社会では多くの社会問題は解決されたんで

すね。しかし資本主義社会というものは万能ではなく、資本主義社会ならではの弊害も生み出しました。

例えば公害やゴミ等のマイナスの資源は、資本主義社会の枠内に落としこめていないので公害、ゴミは出したもの勝

ちという流れが出来てしまっています。他にも過剰消費というものが当てはまりますね。

洋服も、木を切ってまで一人で何十着も所有することが本当に必要な事なのかってことです。

例えば 10 人しかいない星があり、そこには 10 本しか木が生えてないとします。そんな星にいるとしたら、誰が大事な

木を切ってまで服を生産するんだって話ですよね。それが資本主義だと、一般人に対して服はたくさん持たなきゃなら

ないですよ、とプロパガンダして消費者にいっぱい買わなきゃならないんだと想起させ、ニーズを作った後に販売する。

そして企業が生き残るために、必要以上に物を販売する。

これが過剰消費に繋がり、新しい問題を引き起こしているわけです。

もう一つ例を挙げるとするならば、金持ちの相手はするが、貧乏人の相手はしないという問題点もありますね。

そういったいくつもの問題点を解決しなければいけないんですけど世の中の人は現状を知ればなんとかしようとすると

思うんですね。しかし知らないから問題だと思わないし、対応しようとも思わない。

100 人いて全員が全員と知り合いならば、悲惨な問題は起こらないんです。それが一億人や百億人になり、その相手

のことを知る余地がないために相手のことを痛めつつも、それに気付かない状況が起こってしまうわけです。

そのことに気付かせるのは、インターネットの責務だと思います。

-

 インターネットでは感情そのものが流通することになりますね

-

資本主義社会が何故たくさんの問題を解決できたかというと、何か問題があって困っている人がいるとそれを解決する

ために、企業などがその問題を金銭に換えて解決させていたんです。だから世の中の困っていることのほとんどが、

金銭を基準として解決されてきたわけです。

でも、そのような流れの結果、公害やゴミ等のお金に変換しにくい問題点が解決されずに残っているんですね。

コミュニケーションが発達していくと、これまでは金銭に換えないと世界を流通しなかったものが金銭に変換しなくても

流通させることが出来るようになります。インターネットは世界の最新の情報が常に流通していて赤の他人でも

すぐに連絡を取る事が出来るし、世界でどんな人達が困っているのかも誰もがすぐに知れるわけです。

それがもっともっと展開していくと、もっと最適に取引が出来るようになる。

例えば募金しようと思ったときに、こっちよりあっちの方が困っているからあちらに募金しようとか、他にも、リンゴを買お

うと思ったときに、こちらは有機野菜で自然にやさしいけど高くてあっちは安いけど、農薬をたくさん使っていて自然を破

壊しながら作っているから前者にしますなど情報が入れば入るほど、金銭に変換される中で省略されてた情報も世界

中を流通するようになってくる。

感情は金銭に変換して流通させていたけど、インターネットでは感情そのものが流通することになりますね。

-

 社会起業は自然に基づいた考え方

- 最後にビジネスと社会貢献を両立させたいと思っている若者にメッセージをお願いします。

-

「儲けるだけでいい」という考え方は本来論からいうと、とても歪でそもそもは世の中をハッピーにしたい、そうするため

に仕事をする、というのがあるべき姿です。だから、ソーシャルアントレプレナーとして頑張るというのは自然に基づいた

考え方だと思います。

今後、社会起業の必要性はもっと高まっていくので、自分自身に自信を持って、引き続き頑張って欲しいですね。

-

- 本日はお忙しい中、有難う御座いました。

-

 編集後記

急成長しているITベンチャーでありながら企業としての社会貢献をごく必然のものとして捉え、取り組んでいるガイアッ

クス。そんな今注目の企業でアナタも働いてみませんか?

ここならきっと社会を変えるビジネススキルが得られるはず。

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『株式会社ガイアックス』 URL: http://www.gaiax.co.jp

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